インコをお迎えしたときは～雛編～

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インコをお迎えする際に準備するもの

セキセイインコなどの小型の鳥さんは、被

捕食動物であるため、落ち着かない場所で

生活することは大きなストレスを与えるこ

とになり、様々な問題が生じます。

鳥さんは本来飛翔する動物であるため、な

るべく広い空間で飼育することが理想では

ありますが、種類、年齢、体質など状況に

応じて環境を整えてあげる必要があります。

・ケージ

一般的には、金属製のワイヤーで製造され

ているケージが衛生的でおすすめです。

ケージの大きさは、最低でも翼を広げて止

まり木の間を飛び移ることが出来る空間が

必要ですので、それに見合ったケージを準

備しましょう。

オカメインコや大型インコは、羽がケージ

に接触して傷付かないように充分な大きさ

のケージが必要です。

様々な材質で様々な形のケージが販売され

ていますが、耐久性や利便性などをよく考

慮して選んでいただくとよいでしょう。

・止まり木

止まり木は、鳥さんが多くの時間を過ごす

場所です。

鳥さんは常に止まり木をつかむことで爪が

摩耗され、適切な長さが保たれます。

止まり木が細過ぎる、太過ぎるような場合

爪がしっかり止まり木に当たらず摩耗出来

ず、爪が伸び過ぎてしまうことがあります。

鳥さんが止まり木をつかんだ時に、1/4円

程度余っていると適切な太さと考えてよい

でしょう。

止まり木は、ケージの手前と奥に段差をつ

けて２本程度設置できると理想的です。

止まり木を設置した状態で羽がケージや給

餌器に接触しないような環境を整えてあげ

るとよいでしょう。

・給餌器および給水器

給餌器および給水器は、止まり木の近くに

設置しましょう。深い容器を使用する場合

は、餌も水も容器いっぱいにしないと飲食

が難しくなってしまうため注意が必要です。

容器には様々なタイプがありますが、カバ

ー付きの容器や外付け式の容器は不衛生に

なりにくいためおすすめです。

・ヒーター

日本で多く飼育されているセキセイインコ

やコザクラインコの理想的な温度は、

20～25℃とされています。

そのため、室温は最低でも20℃は保つよう

にしましょう。

15℃を下回ってしまいますと、体調に変化

が出てくる可能性が高くなるため保温する

必要があります。

鳥さんは、吸った空気の温度が直接内臓全

体に伝わるため、鳥さんが過ごしている空

間の空気の温度を暖める必要があります。

そのため、接触型の保温器具ではなく、ケ

ージ内全体の空気が暖まる工夫が必要です。

エアコンで部屋全体を暖めたり、ひよこ電

球やパネルヒーターを使用して狭い空間の

み暖める方法もあります。

インコは寒がりと言えますが、暑がりでも

あります。

32℃を超えると暑がり始めてしまいます。

ひよこ電球やパネルヒーターを使う際は、

暖め過ぎによる熱中症を防ぐためにサーモ

スタットを使いましょう。

留守番など、飼い主さんが目を離す際は特

に注意が必要です。

・遮光カバー

鳥さんを室内で飼育すると飼い主さんの生

活リズムに合わせた照明時間になってしま

います。

インコは明るい時間が長いと発情してしま

い、発情が持続すると繁殖関連疾患と呼ば

れる卵塞や腹部ヘルニア症などの疾患にか

かりやすくなってしまいます。

そのため明るい時間を10時間以内にする必

要があります。

鳥さんを寝かせたり、真っ暗にする必要は

無く、明るい時間と暗い時間の違いがはっ

きりとしていれば問題ありません。

暗い部屋を用意出来れば問題ありませんが

それが難しい場合は遮光カバーやバスタオ

ルなどをケージにかぶせて明るさを調節し

ましょう。

・餌

インコは一般的に穀食性とされています。

インコ用に混合されているシードタイプの

餌とペレットタイプの餌があります。

シードタイプの餌は商品によってはビタミ

ンやミネラルを足す必要があります。

ペレットタイプは一般的には総合栄養食と

されていますので、それのみの給餌で問題

ありません。

鳥さんによって好みがありますので、飼い

主さんは自分の鳥さんがどちらのタイプの

餌が良いかよく検討してあげてください。

ただし、鳥さんはシードタイプからペレッ

トタイプなど餌の切り替えが難しいことが

ありますのでご注意ください。

生まれたてのセキセイインコの雛を迎えた場合

生まれたてのセキセイインコの雛を迎えた

場合、最も重要であるのが保温です。

一般的には28～31℃にすると良いとされて

います。

32℃以上になると熱中症を引き起こす可能

性があるため、高くても31℃にしましょう。

31℃に保温して開口呼吸をするなど暑がる

様子がある場合は、少しずつ温度を下げて

調度良い温度を見つけてあげましょう。

前述した通り、エアコンで部屋全体を暖め

たり、サーモスタットを使って暖め過ぎに

気を付けながらひよこ電球やパネルヒータ

ーで狭い空間のみ暖めます。

雛の場合は狭い空間を作り、そこで生活し

てもらうとよいでしょう。

そのために、ガラス水槽やプラスチックケ

ースを用意していただくことをお勧め致し

ます。

段ボールなどで手作りすることも出来ます

が、安全性や耐久性を考えますとガラス水

槽が最も適していると言えます。

生まれたてのセキセイインコの雛は、大人

のセキセイインコのように餌を食べられま

せん。

雛には挿し餌をする必要がありますので、

挿し餌専用の餌を準備する必要があります。

挿し餌をする時以外は暗くしてなるべく寝

かせるようにしましょう。

遊び過ぎると疲れて体調を崩してしまうの

で注意してください。

インコの挿し餌の方法

挿し餌は母鳥さんが吐き戻した餌に近い状

態にする必要があります。

インコの雛の挿し餌には、昔から粟玉と呼

ばれる剥いた粟がよく使われてきました。

粟玉を熱湯で茹でて水分を切り、ビタミン

やミネラルを添加して与えます。

最近では、パウダーフードやペレットをふ

やかして与える方法もとられます。

衛生面や栄養バランスから、パウダーフー

ドがおすすめです。

挿し餌の温度は約40℃が目安となり、冷め

たら温め直して与える必要があります。

水分量を調節して、雛が食べやすいような

柔らかさにします。

インコの雛は挿し餌をスプーンにのせて食

べさせてあげます。

挿し餌は1日に3回以上与えますが、日齢に

よって異なります。

そ嚢が空になったらすぐに与えます。1回の

挿し餌の量は、雛が口を開かなくなるまで、

そ嚢が頭1つ分の大きさに膨れるまで、とさ

れています。

インコの雛がお迎え後餌を食べない時

インコの雛がお迎え後餌を食べない時は、

まずは環境を見直してみましょう。

周りの人間や音などが気になってしまい落

ち着けない可能性があります。

また、必ず28～31℃に保温してください。

保温が足りないと体調を崩してしまいます。

挿し餌は少量、頻回にしてみましょう。

それでも食べない場合は、動物病院で診察

を受けることをおすすめいたします。

インコの雛の挿し餌はいつまで？

自ら翼を動かしたり、動き回る時間が増え

てきたら、挿し餌の回数を徐々に減らし、

可能な限り乾燥した餌に切り替えます。

乾燥した粟玉を地面に撒いたり、容器に餌

を入れたりして、雛が餌をつつくようにな

ったら挿し餌の卒業が見えてきます。

雛が挿し餌の催促をしなくなり、体重も維

持出来ているようであれば問題ありません。

インコの挿し餌の卒業は、およそ2ヶ月齢

とされていますが、鳥さんの体調をよく観

察したうえで卒業の判断をするようにしま

しょう。

挿し餌の卒業が遅くなってしまっても病気

になるわけではありませんので、挿し餌の

卒業を急ぐ必要はありません。

ただし、何らかの病気が原因で一人餌に切

り替えられないこともありますので、気に

なる様子がある場合は動物病院で診てもら

いましょう。

インコの雛の一人餌はペレット？シード？

一人餌にはペレットもシードも両方食べて

くれると良いですね。

両方食べてくれるようであれば、

ペレット7割、シード3割がおすすめです。

ペレットは消化に良く栄養バランスも申し

分ありませんので10割ペレットでも問題あ

りませんが、シードは食べる楽しみがあり

ますので、シードも与えてみましょう。

ばら撒いた粟玉をつついていた雛であれば、

まずはシードを中心にしても良いかと思い

ます。

シードは商品によってはビタミンやミネラ

ルを足す必要があります。

インコの雛をお迎えして1週間

挿し餌が必要なインコの雛をお迎えしたら

1週間は体重測定を毎日おこないましょう。

朝一番と挿し餌前に体重測定することをお

すすめいたします。

しっかり食べているようでも体重が減って

いる場合は、挿し餌の量を増やしたり、挿

し餌の回数を増やしたりする必要がありま

す。

一人餌が出来ている雛であれば、環境を整

えて落ち着けるようにしてあげましょう。

落ち着いて餌を食べているのが確認できた

ら徐々に飼い主さんに慣れてもらえるよう

に声掛けなどしていきましょう。

インコの雛、触りすぎ？

インコの雛は、楽しそうにしていても遊び

過ぎると疲れて免疫力が落ちてしまいます。

挿し餌が必要な雛であれば、挿し餌の時に

触る程度で、その他の時間は暗くして寝か

せるようにしましょう。

体調を崩している時はもちろん、体重が減

っている時も注意が必要です。

インコの雛をお迎えして慣れるまで

挿し餌が必要なインコの雛をお迎えした場

合は、挿し餌の時に触れ合うため、比較的

早く慣れてくれるでしょう。

飼い主さんが来てくれたら餌をもらえると

学習し、一人餌になっても手乗りになるで

しょう。

一人餌のインコの雛の場合、鳥さんによっ

ては慣れるまで時間がかかることがありま

す。

飼い主さんの手が怖いと感じたりすること

もありますので、優しく声掛けをしたり、

ケージ内の掃除などのお世話をする際もな

るべく鳥さんを刺激しないようにして慣ら

していきましょう。

まとめ

〇インコを迎える際は、ケージ、止まり木、給餌器、給水器、ヒーター、餌などが必要。

〇インコの雛を迎える際は、保温しやすい水槽やプラスチックケース、専用の餌などが必要。

〇挿し餌はパウダーフードがおすすめ。

〇インコの雛がお迎え後餌を食べない場合は環境の見直しを。

〇インコの挿し餌は2ヶ月齢頃に卒業になるが焦りは禁物。

〇インコの雛はお迎え直後は触り過ぎずよく寝かせる。

〇インコの雛は慣れるまでは焦らずに優しい声掛けを。