【鳥の金属中毒】知らない間に鳥さんが口にしない為に
この記事は鳥さんの金属中毒についての記事です。
それでは、どうすれば防げるのでしょうか?
詳しく書いていきます。
鳥さんの金属中毒ってどんな病気?
金属中毒は飼っている鳥さんが金属を食べてしまうことで起きます。
鉛、亜鉛、銅など重金属の種類、食べた量、
大きさによって症状に少し違いがあり、特に重い症状となるのは鉛です。
そして、大きな塊よりも小さな金属を複数飲む方が体内に吸収される量は増えて危険になります。
金属中毒は動物病院での治療をうけても死亡することもある、こわい病気の一つです。
鳥さんが金属を飲むと、小石や砂と同じように2番目の胃に貯まります。
身体にとって悪いものでも、貯めてしまってなかなか出ていってくれません。
胃にとどまっている間に金属は少しずつ溶けて吸収され、
全身の組織に取り込まれて様々な悪影響を及ぼすのです。
うちには飲み込めるような大きさの金属なんて転がっていないから大丈夫!
と思うかもしれません。
でも、インコ、オウム類の嘴は力強いので、やわらかい金属ならかじることができるほど!
遊んでいて剥がれた金属片を飲むことは好奇心旺盛な鳥さんだと十分ありうるのです。
金属中毒になる原因
鳥さんが金属中毒になる原因の多くは特定されていません。
24時間ずっと様子を見ているわけではないでしょうから、
一体どこで食べたのか分からないことの方が多いのです。
原因を突き止めた中で多いのは、
- カーテンウェイト
- アルミやスチール製ケージのメッキ
- おもちゃの金属メッキ
- アクセサリーなど
- 台所の五徳
放鳥の習慣がなく、錆びにくいケージで飼育している鳥さんでは、
餌への金属混入やカトルボーンの金属汚染を疑われることも。
ただし、鳥さんの餌に金属では?と思うものが入っていても、
本当に中毒を起こすものかどうかは成分分析で調べないと分かりません。
ちなみに、餌の中に磁石にくっつくものが入っていたから金属中毒の原因だ、
とは言えません。
むしろ鳥さんに金属中毒を起こすことの多い鉛、亜鉛、銅などは磁石にくっつかないです。
フォニオパディなどは収穫するときに磁性のある土壌鉱物がついた
ままのこともあります。鉄分を含みますが、これを食べて金属中毒にはなりません。
とはいえ、他のはっきり分かっていない、
あやしいと思うものは食べないように除いた方が安心です。
重金属をかじって食べていなくても、
なめることで微量に取り続けていつしか体調を崩すこともあります。
亜鉛や鉛を含む絵具もなめてもらいたくない中毒の原因の一つです。
挙げた以外にもかじったり、なめたりすることで
金属中毒を起こすものはヒトの生活にはあふれています。
発情と金属中毒って関係あるの?
あまり知られていないかもしれませんが、発情と金属中毒には少し関係があります。
といっても、発情していたら金属中毒になりやすいわけではないです。
発情しないようにするために、食餌制限の対策をしている鳥さんは多いことでしょう。
食餌制限中だと、鳥さんはいつもおなかペコペコ!!
放鳥している時間も、何かおいしいものはないか、一生懸命に探索します。
もともと落ちているものをつつく習性もあって、余計に金属中毒になるリスクが高まるのです。
直接的な関係があるわけではないですが、発情抑制のために餌の制限をしている場合、
金属中毒にならないようにより一層気を付ける必要があります。
金属中毒になったらどんな症状がでるの?
- 強い吐き気
- 嘔吐
- 深緑色のべたっとした便
- 黄色・緑色・赤色の尿酸、
- 神経症状、毛引き症
などが特徴的な重金属中毒の症状です。
そして、これらの症状はとても元気だったのに、ある日突然症状がではじめます。
金属は全身のどこにでも吸収されて、それぞれの場所に障害を起こすので、
様々な症状がでるのです。
全ての症状が必ずしも見られるわけではないので、気になる症状があれば
動物病院でチェックしてもらいましょう。
どうやって診断するの?
金属中毒の診断は、特徴的な症状、レントゲン検査による金属陰影の確認、
血液検体から血中の金属濃度の測定などで総合的に診断します。
食べた直後でまだ吸収されておらず、レントゲン検査では金属陰影がうつるものの、
症状は出てない場合もあります。
逆に、少量の金属を食べて、すでに体内に吸収されているとレントゲン検査で
金属陰影は確認できず、症状はひどいこともあります。
血中の金属濃度を測定できるとはっきりと診断できますが、
検査に必要な血液量は多いです。
金属中毒になると、消化器症状が出て脱水がひどくなり、
採血ができないこともあります。
この検査さえすればよい、というものはないので鳥さんを診てくれる
病院で総合的に判断してもらわなくてはなりません。
金属中毒の治療は?
金属中毒の治し方は、動物病院で入院治療となることが多いです。
今より体内に金属が吸収されないように、キレート剤を治療に使います。
キレート剤は、金属イオンと結合して体内から排泄されるようにするお薬です。
キレート剤の他にはその子の症状にあわせたお薬が必要になります。
鳥さんへの負担は大きいですが、摂取量が多くて内科治療の反応が悪く、
外科手術が適応となることも。
金属の摂取量、診断治療までのスピード、もともとの体力などで、
ちゃんと治るのかどうかが分かれます。
金属中毒を起こさないためにできること
金属中毒をなるべく起こさないためにできることは大きく分けて2つあります。
1つ目はケージやおもちゃの金属はステンレス製を選ぶこと。
コストはかかりますが、命の危険があるのでここは惜しまず投資したいところです。
2つ目は放鳥前にかじったり、なめたりするかもしれない金属を取り除いたうえで、
放鳥時に鳥さんから目を離さず、危ないものに気づいたらすぐに撤去すること。
鳥さんの餌はふるいにかけて小さな金属、なんだかあやしいものが混入していたら、
取り除くようにしましょう。
まとめ
- 鳥さんの金属中毒は動物病院で治療しても、死亡することもある、とてもこわい病気の1つ
- 金属中毒になった原因の多くは特定されていない
- 原因は、カーテンウェイト、台所の五徳、アルミやスチール製ケージのメッキ、おもちゃの金属メッキ、アクセサリーなどがある
- 発情抑制のために食餌制限をしている場合は、金属中毒にならないように注意が必要
- 金属中毒の症状は強い吐き気、嘔吐、深緑色のべたっとした便、黄色・緑色・赤色の尿酸、神経 症状、毛引き症など
- 金属中毒の診断は、特徴的な症状、レントゲン検査による金属陰影の確認、血液検体から血中の金属濃度の測定などで総合的に診断
- 金属イオンと結合して体外へ排泄するキレート剤で治療する
- 食べた金属の量がたくさんで、内科治療の反応が悪い場合は外科手術も検討
- 金属中毒をふせぐために、ケージやおもちゃの金属はステンレス製を選ぶ
- 放鳥する前にかじったり、なめたりしそうな金属は取り除く
- 餌の中に金属や異物であやしいものがあれば取り除く
- 放鳥時に鳥さんから目を離さない!
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